話題沸騰チタンゴールドと陽極酸化

去年の末に私の過ちで(笑)ちょっと日記に書いてしまったアナトメタルの特色中の特色、チタンゴールド。
発色が難しい色なので手に入れたい方は夏や年末年始の繁忙期を避けて.....と書いたところ、1月終わり頃からチタンゴールドのご注文が殺到してしまっています.....アナトメタル本社スタッフのみんな、ごめんね。
巷での話題沸騰っぷりは、RIN-KGネットショップのお客様方の間だけではなく、MAY提携店である、原宿EXTREME埼玉3G ELEMENT静岡CELLのブログでも見受けられるかと思います。
そして来週あたりは京都SCAMPのブログでもアップされるんじゃないかな。

ようするにチタンゴールドは、ボディピアス業界人達をも騒がせているわけです。
それはそうですよね。
陽極酸化と呼ばれるとっても特殊な発色方法で加工するチタンカラーといえば従来の14色プラスそれに少し手を加えたストライプやオイルスリック、その他に色が増えるわけがないと誰もが思っていたわけで、ある意味期待すらしていなかった。
それがカラーサンプルのバリエーションには並ばずとも、こんなステキな裏カラーがあるとわかれば、アナトメタラーなら誰でも興味がわいてしまうはずです。

【ANATOMETAL】アナトメタル
特色のチタンゴールドを使用した華麗なジュエリーたち
(手前左)スーパーオービッツアイレット00ga
外周のジェム - プリンセスカット・シャンパン
内周のジェム - 多面カット・ブラウンジルコニア
(手前右)インダストリアルバー 14ga
プロングセットジェムエンド 16ga - ブラウンジルコニア2mm x シャンパン3mm x ブラウンジルコニア2mm
(奥)キャプティブビーズリング10ga 内径1-7/8"
ジェムボール 1/4" -  多面カット・シャンパン
※1 チタンゴールドは特色となりますので、ご注文時期や本社の状況によっては
お断りさせていただいておりますことご了承下さい。
※2 インダストリアルバーについての加工はこちらからお問い合わせ下さい


このチタンゴールド、断られることもあるとなると尚欲しくなるし、もともとあまり好きな系統の色ではなくても皆が騒げば騒ぐほど気になってくる....というのがいわゆるファン心理。
そんな理由で購買意欲をそそられつつある方もいらっしゃると思いますが、「ポチッとな」の前にチタンゴールドを、そしてチタンの発色方法である陽極酸化を少しだけ知っておいてください。

まず1つ目に、チタンゴールドと18金イエローゴールドの色味はかなり違います。
チタンゴールドはチタンカラーの中では一番18金イエローゴールドに近い色ではありますが、並べて見るとその差は一目瞭然です。
そしてチタンゴールドは、いわゆるよく巷にありがちな偽物の18金とは異なります。
「チタンゴールド」というカラーと考えてください。
だからチタンゴールドを楽しもう!という方にはお勧めですが、18金のジュエリーに見せようと思ってご購入をお考えの方はやめた方がいいかもしれません。

2つ目は、チタンゴールドとチタンイエローは、サイズが大きくなればなるほど似ています。
ジュエリーによってはほとんど区別がつかないこともあります。
サイズに係わらずしっかりと濃い目の黄色であるチタンゴールドに対し、チタンイエローはサイズが大きくなればなるほど濃くでる為、両者のサイズが大きいと区別がつかなくなる場合があります。

3つ目は、陽極酸化についてです。
陽極酸化処理というものは、チタンやナイオビウムをカラーリングする際にだけ用いられる特殊な発色方法で、機械の中にチタンを入れて、例えば「パープル」というボタンを押せばその色になるというものではありません。
チタンのジュエリーを電解液中において直流電流を流すことによって、陽極(+極)のチタンは 酸化膜を形成します。
簡単に言えばこの酸化膜がチタンの各カラーとなります。
酸化膜は、電圧を変えることにより厚みが変わり、厚みによって光の屈折率も変わるため、様々な発色がされます。
ちょっと小難しくなってしまいましたが、要するに発色加工をするスタッフの技術量は勿論、電解液の濃度や交換時期、電極間の距離、発色させる面積などなど、様々な要素で同じ「パープル」でも前回と今回では微妙に違ってきたりします。
チタンを発色させるにおいて大まかな数字はあるものの、左右される要素が多すぎるので全てそれを自動でやってくれる機械はありません。
陽極酸化処理職人の感覚と経験に任せるしかないわけで、となると人間業ですから勿論、回ごとに微妙な差も出てきます。


私が今まで見てきたところ、特にその微妙な差が出やすいチタンカラーが、
・コッパー
・フクシア(フューシャ)
・パープル
です。
そしてそこに特色のゴールドも入ります。


例えばコッパーなら、回によってはかなり濃く出てほとんどブロンズに近かったり、また別の回にはピンクの要素が強く出てほぼフクシアと区別が付かなかったり。
これがフクシアだと、回によってはパープルと区別付かないほど濃い時もあれば、かなり金がかって相当コッパー寄りの時もあります。
今日の主役のチタンゴールドもコッパーやフクシアと同じことで、そもそもチタンゴールドというのは(ブロンズ+イエロー) ÷2+ちょっとだけオパールシェントみたいな色なのですが、上で書いた様々な要素によりイエローがとても強く出るときもあれば、ブロンズがとても強く出る時もあるわけです。

だからイエローが濃い目に出たものと、ゴールドでイエローの要素が強いものは、正直ほぼ同じです。
そしてまた、これが特に大きなサイズになると、見分けが付かなくなるわけです。

上記のこともアナトメタルがチタンゴールドを定番のチタンカラーバリエーションに入れない理由の1つだったりします。

例えばチタンゴールドの基準値を6~10としましょう。
1~5はブロンズ、11~15はイエローとすると、6のチタンゴールドは5のブロンズとほぼ変わりがなく、10のチタンゴールドと11のイエローはほぼ変わりがないわけです。
様々な要素が重なって、どんぴしゃの8のチタンゴールドをゲットできたらある意味ラッキーということです。
(※アナトメタルでは、なるべくどんぴしゃを出せるよう最大の努力はしています!!)

だからチタンゴールドをご購入予定の方は、頭の柔軟体操をしておいてくださいね(笑)
そんなわけで、頭が固めの方にはコッパー、フクシア(フューシャ)、パープル、ゴールド以外の色をお勧めします。

何だかすっかりお勉強会になってしまいましたが、アナトメタラーなら陽極酸化処理について知っておいても損は無い知識だと思います。

下の画像はチタン陽極酸化処理の際の電圧と色の近似値です。
見ていただければなんとな~く私が今日書いたこと、わかっていただけるんじゃないでしょうか?











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